フランス菓子16区
三嶋隆夫氏インタビュー

もの探訪#6
「時短で
 活気ある職場づくり」

 外はパリッと中はフワッとした日本を代表する焼菓子「ダックワーズ」。フランス菓子 16区(福岡市中央区)の三嶋隆夫オーナーシェフが考案した逸品です。1981年10月に創業して、今年で40周年を迎えました。伝統のフランス菓子をベースに、厳選した素材と鮮度にこだわるオリジナルの菓子づくりを追求。明るく清楚な店内は、スタッフの笑顔と優しい心遣い、何よりお菓子の甘い香りに包まれています。

 三嶋シェフは一般社団法人福岡県洋菓子協会の会長を務めています。業界発展に向けて同協会会員の交流や講習会、コンテストを催すなど人材育成に力をいれています。この5月に開催される産業総合展「西日本食品産業創造展21」(以下:食品展)では、同協会イベントコーナーで洋菓子実技コンテストなどを実施。セミナーでは三嶋シェフ自身が登壇して「働き方改革!時短への挑戦~新たな経営スタイルの構築」と題して講演されます。そこで今回、三嶋シェフにセミナーのアウトラインをお聞きしました。
(聞き手・西日本食品産業創造展事務局)

経営改善、
進む社員の意識改革

-働き方改革で、職場環境の改善に取り組まれました。
 どの業界も同じだと思いますが、少子高齢化による人手不足や材料費の高騰などの経営課題に直面しています。こうした中でショップの営業時間を午前10時から午後6時に変更、社員の業務内容は繁忙期によって異なりますが、週休2日制に移行しました。

-時短の効果はいかがでしょうか。
 社員の意識が変わりましたね。社員同士のコミュニケーションが増え、以前にまして活気ある職場になりました。営業時間・勤務時間を短縮した分、経費削減にもつながりました。心配した売上・利益面も確保できています。数年前は営業時間に比例して残業が増えて勤務時間も長くなる傾向でしたが、残業を抑えることができています。

勇気をもって時短、
新しい働き方のために

-改革を行うために必要なことは何でしょうか。
 従来の働き方を変えることは、多くの段取りを変える大変な作業でした。コストを意識し手間がかかる商品アイテム数を減らす、全体のアイテム数を調整し売れ筋商品を中心とするなど、社員の理解と協力が欠かせませんでした。協会会員も経営改善に向けて同じ悩みを抱えていると思います。そこで勇気をもって時短を行うことで、経費を削減する。その分いい商品をつくる時間にあてることを提案します。

-今後の挑戦に期待します。
 現在77歳です。目標は90歳まで現役で仕事をしたいですね。新商品開発にも取り組んでいます。ダックワーズのような看板商品を開発したいですね。

―本日はありがとうございました。
※当日はマスクを使用してインタビューを行いました。写真撮影時のみ外しています

創業40周年おめでとうございます。今後のラインナップの追加を楽しみにしています。

企業情報

フランス菓子 16区

オーナーシェフ三嶋隆夫

福岡市中央区薬院4丁目20‐10

TEL092-531-3011

FAX092-526-0016